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きいろいしっぽ7

そんなこと、聞かれたことないから。
わかんないよ。
願い事、なんて。










「・・・・・・最上さん?」



はっと敦賀さんの声に気づいて顔をあげた。
いつのまにか思考の旅に出ていたようだ。



「つ、るが、さん・・・・・・。わ、わたし、どうしたら・・・・・・。」



視界が一気にぼやけてきて、頬に何かが流れる感触に気づいた。
泣いてる、と気づいたときには遅かった。
目の前で敦賀さんがひどく困った顔をしていて、ごめんと勢いよく謝っているのがやっと理解できて、何か誤解している節のある敦賀さんを安心させようと口を開く。
しかし嗚咽ばかりで、もうどうしていいかわからなかった。
このひりひり痛む喉も。
ぎゅっと掴まれたような心臓も。
何もかも。
何もかもがヒートしていて。
やっと言葉にできたのは、一つだけだった。










「・・・・・・っす、き」










「あなたっ、が、・・・・・・っす、き」










「ごめ、なさっ。っなた、が、すきっ・・・・・・」










ガタッと何かぶつかるような音がして、いつのまにか敦賀さんが横に来ていて・・・・・・。
次の瞬間勢いよく身体を引っ張られて敦賀さんが私を抱きしめた。
ぼすっとにぶい音がして顔面を強打したから身体を離そうとしたけど、敦賀さんの腕は私を逃がしてくれない。



「・・・・・・どうして謝る?」



「わからないです・・・・・・。」



なんだか、謝らなければいけない気がした。
こんな私が。
こんなに幸せになってもいいのか。
誰かに求めれていいのか。
ぐるぐるして、もう本当によくわからない。

でも一つだけ、一つだけわかることがある。
それは、胸の奥で何か暖かいものが息づいているということ。
それが、この幸せの元なんだってこと。



「じゃぁ、最上さん。俺と正式に付き合ってくれるの?」



「・・・・・・はい。ってちょっと待ってください!!」



しかしそこで唐突に思い出したことがある。
敦賀さんを覗きこむように見上げると、こてっと首を傾げた可愛らしい人がそこにいた。



「何を待つの?」



「いえ、あの。私普通の人間じゃないですよね? それで付き合うことは難しいというか。」



「・・・・・・なるほど。じゃぁお願いしてみたらいいんじゃない? その鉄瓶に。」



・・・・・・なるほど。
確かに。
でもそんな願い事叶えてくれるのかしら。

というか、よく考えたら、私の身体って時間が止まってるのよね。
猫に会ったときからどれくらい経ったかなんてもうわかんないし。
願いが叶ったとしても、いきなりおばあちゃんの姿になっちゃったりして・・・・・・。

と、そこまで考えて怖くなった私は、敦賀さんにやっぱりやめますぅぅと叫ぼうとした。
が、すでに元鉄瓶は敦賀さんによって拉致。
いつのまに私のポケットから?と考える間もなく、彼は願いを言ってしまった。










「最上キョーコさんを普通の人間にして、俺と一生いられるようにしてください。」










ちょっ、私がおばあちゃんになったらどうする気ですか!
いまさらお付き合いできないとか言われても困りますからね!!

という言葉が「わたしがおばさんになっても~」のBGMと共に何回も頭をかけめぐり、言う間もなく鉄瓶から光が放たれた。










「・・・・・・何か、変わった?」



「いいえ。何も特には変わっておりませんが。」



「服とかもそのままだよね。」



「そうですね。・・・・・・あっ、もしかして私おばあさんになってます??!!」



「いや、さっきのままだけど。」



そして二人同時に気がついた。
足元に転がっている鉄瓶に。



「これ・・・・・・元に戻ってる。普通の鉄瓶に戻ってます!!・・・・・・ってことは、やっぱり私普通の人間に戻れてる?!」



「・・・どういうことかな?」



「あ、願い事を3つ叶えて役目を終えると、宿っていた物は以前と同じ形に戻るんです。で、戻ったときにいつもだったら私は既に違う物に宿ってるんですよね。だからっ、これが戻ってるのに私がこの場所にいるってことは! 私は普通の人間になってるかもしれないってことですっっっ!!!」


胸の前に持ってきた拳に力を入れながら力説している私に、敦賀さんはふんわりと笑って言った。



「じゃぁ、これからのことを考えなきゃいけないね。」



額に軽く口づけるのを忘れないで。
感触が去った後、私は急いで手のひらをおでこに乗せた。
ぺちっと音がした。



「ちょっっ、なにす」

「だって恋人だし。」

「まだ途中までしか言ってな」

「いいんだ。言われると思ってたから。」

「・・・う~~、こういうことはスローペースでお願いしますよ・・・。」










そうしてそうして、私たちは恋人同士になりました。



おわり。










・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・



え?
私の親とかその他いろいろはどうなったかって?


・・・・・・それは、



また今度お話します。(汗)




おわり




なかなかシメが決まらん。
まぁ書いてる途中で第二章的に続けちゃおうとは思ったんです。
だってキョーコちゃんの前回のお客さまって気になるでしょ?
え? ならない??
うぅぅ。気になるように頑張って書きます。

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