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kanon -香音- 2

kanon - 香音 - についてを一度読んでから読み始めてください。




kanon - 香音 - 2










―――――こわい…










吸血…



―――――池










こっそりと神父さまと村の人の話を聞いていた私は、恐ろしさにとりつかれて夜 ベッドに入ってもなかなか眠れなかった。

昼間は開けていた窓をしっかり閉めてはいるが、風の音までは遮れない。
近くにある桜の木がさわさわと音をたてて闇の中に広がってくる。

ぎゅっと布団を握って目を瞑った。



カタカタカタ



カタカタ



ビクッと身体に力が入った。



なんか…
―――――窓にいる










きぃ カタタ カタカタ










ま、どが開いた?
なんで…!?
鍵がかかってるはずなのに…
どうして開くの!?










「…キョーコ」



…!?
来ないで



声の主がそこまで来てるのがわかった。
でも足音がしない。



誰よ?
きょーこって…

知らない
知らない

ぎゅっと身体に力を入れて丸まっていると、首筋が焼けるように熱くなった。










女の子の声が聞こえる










―――――やっとおめざめね 待っていたの

私は…あなたの姉 そして母 そして

あなた―――――



神魔(しんま)と人間の子 キョーコ…



きれいな冴菜
ほんとうに純真で
家族を愛し…誰からも愛された

キョーコのお母さま―――――


池から抜け出した“シ”が
彼女を現実に引き戻した―――――

わたしが夢をあげたのに…










   いや!



   いやっやめてっっ



   そっとしておいて!










あなたの中にはわたしの血があるの
最上の血も―――――

鮮赤の池に眠る…夕姫(ゆき)の血










   お願い…
   この教会で神父さまと静かに過ごしていたいの










あなたは吸血姫なの―――――

大好きな桜と…










   あ…あぁ―――…










がちゃっ



「お嬢さん!?」



ばたばたとカーテンが翻るなか、血相を変えて神父さまが部屋に入ってきた。
私は悲鳴をあげたのだろうか。



「どうした?」



「う…   う…   」



「大丈夫…大丈夫だよ。春の嵐だ。
風、風だから。」



神父さまの手が私を安心させようと頭を優しく撫でる。
先ほどまでは聞こえなかった風の音が、また激しくなっていて、窓が開いていた。



「ほら…目をもう一度開けて。俺だよ。
こわい夢でも見た?」



目を開けると涙の向うに優しい神父さまの笑顔が見えた。
安心できる存在を目にした私は、勢いよく神父さまに抱きついてしまう。
そんな私の背中をゆっくりとさすりながら、柔らかい声で神父さまは私に話し掛けた。



「ほら、泣かないで。大丈夫、今夜はいっしょにいようね。だから安心してお眠り。」





















風が強い。
肩に巻いてある布が飛んでいきそうになる。



俺は教会のてっぺんで不機嫌を隠さずに十字架の上にしゃがみこんだ。



くそっ
毎夜 俺が血を運んでやってんじゃねーかよ
なんだあの態度は



先ほど血を与えたあいつの態度にこころなしかショックを受けながら、辺りに気を張る。
キョーコが教会に入ってからあいつらは一向に現れなかった。
まぁ、あれだけ片方も傷を負っていたら、反撃するということもマイナスになる可能性がある。
キョーコの傷が癒える時間も必要だったためラッキーではあったが、まさか記憶をなくしているとは思わなかった。



上空から、風とは違う音が聞こえた。



「くくく…ホントにあのお姫さんは役立たずだこと」



ぎろりと声がした方を睨みつける。
数日前に取り逃がした姉弟の…女の方だ。
銀色のストレートの髪を耳下でばっさりと切っている。



「…ったくだぜ。お務めも果たしてねーしよ。」



「何やらお前のことさえ忘却のご様子。つれないねぇ。」



「うっせぇよ」



「ここの神父さんはステキだものね」



減らず口を叩いて宙に浮いたままの女を切るため、俺は腰の刀を引き抜いた。



「おっと、今夜は御挨拶に参上したまで」



ふわりと女は逃げる体制に入る。



「あの子が待ってるからね。用事があるのだよ。
どうせお前じゃ我らを池に帰すことはできない。」



「誰が帰すって言ったよ?



ぶった切んだよ!!」



ひゅんと音をたてた刀が闇を裂くが、ふわりと緩い動作で消えた女には当たらなかった。
ほんの少しタイミングが遅かった。



つづく




松登場☆
敵の二人は好きなように想像してくださいませ。
あ名前は原作と一緒にしちゃった☆


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