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きいろいしっぽ1



せめて、せめて次の人は!!!



どうか普通の人でありますようにっっ。














「じゃぁ蓮、明日は8時に迎えに行くからな。」



「はい、よろしくおねがいします。」



俺の担当マネージャーが車を降りながら、連絡事項を述べる。
そして思いついたように振り返り、困った声で言った。



「・・・・・・言っても無駄だろうが、飯食べろよ?」



「わかってますよ。」



軽く流すように言うと、車の外で社さんが深い溜息をついた。
そして皮肉るように呟かれる。



「あぁ・・・・・・担当俳優に飯でも作ってくれる可愛い彼女とかでも現れたらナァ。」



「・・・・・・マネージャーがそんなこと言っていいんですか? それに今のところ仕事が第一なので。社さんには申し訳ないんですが、」



「あぁ、あぁ、わかってるよ。俺はただただ祈るだけだ」



もう行きます、と一言吐くようにして社さんの自宅から去った。
社さんも社長も自分の職業を一度選択し直した方が良いと思う。

人の人気に少なくとも左右される仕事についてるのに、雇い主とマネージング担当はどうしてこうも俺に・・・・・・。
大事な人なんかこれから作ることはないのに。

静かになった夜の街で、ウインカーの音と車のエンジンだけが耳に響いている。
前を見ると、今は 帰る家 と呼べる大きなマンションがいつのまにかそびえ建っていた。

それからハンドルをきって車を駐車場に滑りこませた俺は、身体を休ませるという義務を全うすべく自宅に上がった。




部屋にあがり電気をつけてソファに身を沈めると、先ほど社長にもらったお土産が視界に入った。

実は、仕事終わりに社長に呼びつけられた俺と社さんは、いつのまに行ってきたのかわからないが社長の外国土産をそれぞれもらった。
ここ1週間社長とは1日に1度会ってる気がしたが。
本当にいつ行ってきたのだろうか。

なんとはなしに紙袋を取り、中身を開けると正方形の箱が入っている。
食べ物であったなら社さんとの口約束を守れることになると思ったが、重さから食べ物ではないような気がした。
かなり重い。



「・・・・・・鉄瓶、か。」



箱の中に入っていたのは薄い赤の塗が施されている丸い鉄の瓶だった。
手にとって見るとしっかりした物で、古臭さは感じないが、何か存在感のある品物だった。
鉄瓶の底を見るとメイドインジャパンの文字がシールで貼ってある。



「外国土産って言ってたのに」



なんだか笑いがこみあげて、少し高く持ち上げて見てみたり、質感を楽しんで、それから蓋をとった。










「うわっっっっ」










蓋を取って中に小さな光の破片のようなものが見えたと思った瞬間、ぼふんと音がして光が鉄瓶からふわりふわりと出ていった。
茫然としてその様子を見てると、ケトルが鳴るような音が光から発せられ、次の瞬間には、ありえないことが目の前で起こった。










「はじめまして、次のお客さまですね。」










目の前には、10代後半の少女が立っていた。



つづく

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