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トモシビ3

昔の自分を見た数日後のロケ最終日、夜中に私は一人で泣いた。
同室の女優さんに気づかれないようにして。



トモシビ 3



日に日に熱くなっていくこの想いに負けたのは自分で、夜中にこっそりとコテージの2階にあるベランダで静かに静かに、星に見守られながら泣いた。
泣いたというより、自然に溢れてくる涙を制御できなくて、電気もつけずにベランダでじっとしていたのだ。

「あ、蛾だ。……やっぱり電気つけなくてよかった。」

近くを飛び去った水色や黄緑の綺麗な色の蛾に気づいて、顔をあげた。
今日の夜空もあの日と同じだった。
満天の星で、自分の中にある熱と同じく光を放っている。

きっとこの光は誰も消せない。
涙が出ているのに胸は熱くなって、寂しさも苦しさもすべて抱きしめてもらってる気がするもの。

苦しくなったのは、敦賀さんの私への気持ちについて考えたから。
ときおり見せる笑顔や優しさについ勘違いしたくなる。
そうして無駄に相手の気持ちを探ろうとして、自分が嫌になる。

プラグでもなんでもいいから敦賀さんにつないだら、心が見えて安心するかもしれない、とも思った。

でも、どうしてもあの日のシャッターをきったあとの敦賀さんの笑顔が忘れられないのだ。
まぶたに焼きついて、いつまでも私を乱す。

「どうしてあんな顔してくれるのかな。」


やっぱり、 後 輩 だから?

やっぱり、 特 別 だから?


いやいや、それはおかしいでしょ。
確実に前者だと思う。
そうよ、100%前者であって、1ミクロンも後者なはずない。

「後輩後輩後輩……。」

そう小さく呟いていると、いつのまにか涙も枯れていた。
そうして、私は潔く決意したのだった。

愛はかたちにしなければ。
捨てないで、とも言われた愛を。
忘れてた愛を。
言葉に出してかたちにしようと。
そうするのが一番良い。
そうすれば、少し痛いけどショータローのときのようにショックは受けないだろうから。

「明日は朝一で帰らなきゃいけないから、こっそり社さんにスケジュール聞かなきゃなぁ……。」

また星が流れた。



つづく



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